台湾巨匠傑作選2018開催によせて

台湾巨匠傑作選2018、上映28作品のうち『スーパーシチズン 超級大国民』『藍色夏恋』『ナイルの娘』3本はデジタルリマスター版による初公開の作品。

“デジタルはフィルムの解像度を上回ることができるか?”

1952年磁気テープによる映像記録・ビデオテープが開発されて、フィルムに替わる上映素材となると期待された。フィルムは解像度は高いが大きく重い。安価で操作が簡単な上映素材が切望されていた。しかし、ビデオテープの解像度は、どうしてもフィルムに追いつかない。その以前から映像はデジタル化の道を模索していた。「デジタルとは0101の2進法の配列により信号を情報化し運用する総体的事柄をいう」。なんのこっちゃだが、今や、パソコンにTVに「デジタル映像」は日常的に飛び交っている。映像素材としてのデジタルの問題は解像度であった。DVDは、フィルムの解像度にはほど遠く、映画館の上映素材として使えるものではなかった。しかし、デジタルの進化は著しく、DVDの普及から数年でMD、4K、8Kと急速な勢いでフィルムの解像度を凌駕した。補正やコピーが簡単そしてコンパクト。もう後戻りはできない。

“台湾巨匠傑作選”の開催も、このデジタル化の波と無縁ではない。台湾の中央電影が『童年往事 時の流れ』『坊やの人形』『恋恋風塵』『冬冬の夏休み』『ウェディング・バンケット』『推手』『恋人たちの食卓』『青春神話』『愛情萬歳』『河』等台湾ニューシネマ作品をデジタルリマスター化して世に出したことがきっかけとなった。昨年リバイバルあるいは初公開されたエドワード・ヤン監督『牯嶺街少年殺人事件』『台北ストーリー』もデジタルリマスター版だ。ホウ・シャオシェン監督もリスペクトする巨匠キン・フー監督『侠女』『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』もデジタルリマスター版で復活した。

1995年製作『スーパーシチズン 超級大国民』は、その年東京国際映画祭コンペ部門で上映されて、世界各地の映画祭に出品および招待されて評判になった。けれども台湾戒厳令下、白色テロの時代そして戒厳令が解かれた年に出獄した政治犯が主人公のこの映画は、『坊やの人形』の第3話「りんごの味」でデビューした台湾ニューシネマの代表的監督ワン・レン作品だったが、日本で一般公開されることはなかった。22年後2017年、デジタルリマスター版『スーパーシチズン 超級大国民』が東京国際映画祭で再上映された。『牯嶺街少年殺人事件』『台北ストーリー』上映と機を一にしての再上映は、ここ数年来起こっている台湾ニューシネマの見直し、日台友好ムードのあらわれだろう。

そして、近年ヒットした台湾映画も台湾ニューシネマと無縁ではない。『海角七号/君想う、国境の南』『セデック・バレ』のウェイ・ダーション監督の映画界でのスタートは、エドワード・ヤン映画の助監督であり、今年『軍中楽園』公開が控えている『モンガに散る』の監督ニウ・チェンザーはホウ・シャオシェン監督『風櫃の少年』の主役を演じた少年である。『台湾新電影時代』でのインタビューでも分かる通り、台湾ニューシネマの影響を受け刺激を受けた映画作家は世界にも数多くみられる。

着実に、台湾ニューシネマの波は、寄せては返しながら受け継がれ、今回の「台湾巨匠傑作選2018」の開催にも繋がっているのである。

 

 

■監督プロフィール

 

萬仁/ワン・レン
<萬仁/ワン・レン>

1950年台北生まれ。福建省出身。東呉大学卒業後、米国カリフォルニア州コロンビア学院で映画を学ぶ。1983年ホウ・シャオシェン、ソン・ツァンシャンと3人が監督したオムニバス映画『坊やの人形』の第3話「りんごの味」で監督デビュー。この作品とエドワード・ヤン他の『光陰的故事』(82年)から台湾ニューシネマが始まった。1984年の『油麻菜籽』は福建省南部の方言で作られ台湾ニューシネマの代表作と言われている。1985年当時の都市社会を風刺した『超級市民』(未公開)を発表。評判となり以後、『スーパーシチズン 超級大国民』(95年)、『超級公民』(99年未公開)と超級シリーズ3部作が製作された。中でも台湾戒厳令下の政府による弾圧いわゆる白色テロで、無期懲役になり、戒厳令が解かれて出所してきた一市民の苦悩を描いた『スーパーシチズン 超級大国民』は国内外で高く評価された。2004年以降はテレビ映画の監督にも携わっている。


 

 

胡金銓/キン・フー
<胡金銓/キン・フー>

【武俠映画を開拓し、武俠映画を極める。】1932年中国、北京生まれ。単身で香港に渡り、「大地児女」で監督デビュー、その後会社から商業的な娯楽映画を要求されて、武俠映画「大酔俠」(66)を発表。これが武俠ブームを招くほどに成功する。さらに、台湾の新興映画会社に招かれて撮った「残酷ドラゴン 血斗竜門の宿」(67)は東南アジア全域で大ヒット、民間映画会社の未発達だった台湾映画産業に活気をもたらし武俠映画の巨匠としての地位を確立した。やはり台湾で製作した「俠女」二部作は75年のカンヌ映画祭で高等技術委員会グランプリを受賞、欧米世界にもその名を広める。台湾ではこの70年代初頭まで活動。のちに香港に戻って自身のプロダクションを設立し、主に「忠烈図」(75)、「山中傳奇」(79)などの武俠映画を撮り続けるが、80年代後半になると沈黙を保った。やがて「ジョイ・ウォンの魔界伝説」(93)で復帰し、念願の企画に向けて準備中、65歳で死去。同時代の日本にはほとんど紹介されず、80年代の香港映画ブームの際に発見され、主に映画祭の上映で評価を高めた。


 

 

侯孝賢/ホウ・シャオシェン
<侯孝賢/ホウ・シャオシェン>

1947年中国、広東省梅県生まれ。72年、国立芸術学院映画・演劇科卒業。80年「ステキな彼女」で監督デビュー。83年若手監督3人によるオムニバス映画「坊やの人形」を発表する。同年の「風櫃の少年」とその翌年の「冬冬の夏休み」で、ナント三大陸映画祭グランプリを2年連続で受賞。続く「童年往事 時の流れ」(85)がベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を獲得し、エドワード・ヤンとともに台湾ニューシネマの代表的存在となる。少年時代を扱った四部作(「風櫃の少年」から87年の「恋恋風塵」)の後、「悲情城市」(89)を監督。同作はヴェネチア国際映画祭でグランプリに輝き、93年には「戯夢人生」で、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。その他の主な作品「好男好女」(95)、「憂鬱な楽園」(96)、「フラワーズ・オブ・シャンハイ」(98)、「ミレニアム・マンボ」(01)、「珈琲時光」(03)、「百年恋歌」(05)、「黒衣の刺客」(15)


 

 

楊徳昌/エドワード・ヤン
<楊徳昌/エドワード・ヤン>

1947年上海生まれ。2歳の時に家族と共に台湾へ移住。南カリフォルニア大学映画学科で映画を学んだが中退し、台湾に戻って映画脚本家となり、82年のオムニバス映画「光陰的故事」の1編を手掛けて映画監督デビュー。以後、89年の「恐怖分子」、91年「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」、94年の「エドワード・ヤンの恋愛時代」、96年の「カップルズ」を監督。事実上の遺作となった2000年の「ヤンヤン 夏の想い出」ではカンヌ国際映画祭監督賞の他、ニューヨーク批評家協会外国語映画賞を受賞。その後7年ほど闘病生活を続けていたが、2007年6月29日、結腸癌による合併症のためアメリカ・カリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で死去。59歳だった。)


 

 

 

蔡明亮/ツァイ・ミンリャン
<蔡明亮/ツァイ・ミンリャン>

1957年マレーシア、サラワク州クチンの生まれ。1977年に台湾に渡り、文化大学演劇科で映画、演劇を学ぶ。在学中より都会人の孤独を題材とした舞台劇や短篇映画で才能を発揮し、この主題はその後の彼の作品群にも色濃く引き継がれる。卒業後は映画の脚本家、テレビドラマの監督・脚本家として活動し、92年「青春神話」で映画監督デビュー。「愛情萬歳」(94)では、ヴェネチア映画祭金獅子賞を受賞し、国際的にもその名を馳せた。続く「河」(97)でもカンヌ映画祭国際批評家連盟賞を獲得。その後「ふたつの時、ふたりの時間」(01)、「楽日」(03)と続き、「楽日」は第60回ヴェネチア国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞。2005年の「西瓜」では過激な性描写が話題を呼び、国内で年間興行収入第1位となる大ヒットを記録、第55回ベルリン国際映画祭でも芸術貢献賞、アルフレッド・バウアー賞、国際映画批評家連盟賞を受賞した。2013年、長編10作目となった「郊遊 ピクニック」を発表。第70回ヴェネチア国際映画祭で審査員大賞を受賞し、本作を最後に商業映画界から引退する意向を示した。

 

■上映作品解説

台湾ニューシネマ、幻の傑作劇場初公開!4Kデジタル
「スーパーシチズン 超級大国民」
監督:ワン・レン
1995年/120分/台湾/出演:リン・ヤン、スー・ミンミン、コー・イーチェン他
第22回台湾金馬奨 最優秀主演男優賞・最優秀音楽賞、第45回ベルリン国際映画祭正式出品1996年イタリア リミニ映画祭グランプリ、第8回東京国際映画祭コンペティション部門出品

1950年代、戒厳令と白色テロの時代。若き大学教授コー・ゲーシン(許毅生・キョさん)は政治的な読書会に参加したことを理由に逮捕される。投獄されたコーは、拷問に負け友人タン・チンイツ(陳政一・チンさん)の名前を明かしてしまい、その結果タンは死刑に処せられコーは無期懲役になる。30数年後、戒厳令が解かれ出所して施設で暮らすコーはタンの処刑を自分のせいと思い頭から消えない。ある日、タンの夢を見たコーは、施設を飛び出し、タンに謝罪しようとタンの墓を探すために旅に出る。その痛ましい過去は、発展する現代の台湾では跡形もなく消え去っているのを感じながらもコーは捜し続ける。ホウ・シャオシェンとともに『坊やの人形』に参加(第3話「りんごの味」を監督)し、エドワード・ヤンらとともに台湾ニューシネマを牽引したワン・レンの代表作が4Kデジタル復元で甦る。扱われているのはホウの『悲情城市』と、ヤンの『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』の間の時代であり、ホウの『好男好女』と重なる時代である。日本での劇場公開は今回が初となる。

【キン・フー監督作品】

「残酷ドラゴン 血斗竜門の宿」
1967年/ 111分/台湾/出演:シャンカン・リンホー、シー・チュン、パイ・イン
中国・明の時代。暴政を繰り返す宦官のツァオは、無実の罪でユイ大臣を処刑し彼の子供たちを流刑とした。さらに、復讐を恐れたツァオは刺客を送る。刺客が待ち伏せした宿には凄腕の剣客チュウ兄弟が子供たちを助けるためにやって来る。二人は彼らの父の友人シャオとも協力しツァオの企みを阻む。

侠女
「侠女」
1971年/ 180分/台湾/出演:シュー・フォン、シー・チュン、ティエン・ポン
第28回カンヌ国際映画祭高等技術委員会グランプリ

明時代末期の陝西省。小さな村に母親と暮らし、絵や書を売る書生のグーは美しい女性ヤンと結ばれる。だが、ヤンは政府(東廠)に反旗して処刑された大臣の娘で、一族抹殺された中で唯一生き残った女性だった。政府からヤンの命を狙う刺客を、グーは彼女とその仲間たちを守るために兵法を使って罠にかけるが…。

【ホウ・シャオシェン+ワン・レン監督作品】

坊やの人形
「坊やの人形」
1983年/ 108分/台湾/出演:チェン・ボージョン、ヤン・リーイン
60年代前半の台湾を舞台に必死に生活を送る人々の姿を描く。「坊やの人形」「シャオチの帽子」「りんごの味」の三部作で構成されている。ホウ・シャオシェンは「坊やの人形」を、ワン・レンは「りんごの味」を監督している。台湾ニューシネマ誕生を告げた記念作。

【ホウ・シャオシェン監督作品】

「風櫃の少年」
1983年/ 101分/台湾/出演:ニュウ・チャンザイ、チャン・シー
第6回ナント三大陸映画祭グランプリ、1985年アジア太平洋映画祭最優秀監督賞
澎湖島の風櫃に住む阿清と彼の友人たちは悪戯や喧嘩をして日々を過ごしていた。ある日、対立するグループとの争いが警察沙汰となり、家に戻れなくなった阿清らは高雄に行くことを決める。世界の映画作家に多大な影響を与えた。
冬冬の夏休み
「冬冬の夏休み」
1984年/98分/台湾/出演:ワン・チークァン、リー・ジュジェン、グー・ジュン
第7回ナント三大陸映画祭グランプリ、第30回アジア太平洋映画祭最優秀監督賞

祖父の住む田舎でひと夏を過ごす幼い兄妹トントンとティンティンを通じて、人との出会い、自然の美しさや子供たちの友情を描く。
童年
「童年往事 時の流れ」
1985年/ 138分/台湾/出演:ユー・アンシュン、シン・シューフェン
第22回台湾金馬奨 最優秀助演女優賞・最優秀脚本賞、第36回ベルリン国際映画祭 国際批評家連盟賞

少年の成長の年代記を、彼と家族の日常をめぐるささやかな出来事で綴る。主人公の阿孝は、47年広東省に生まれ、一歳のときに一家で台湾に移住した。ガキ大将的存在の阿孝だったが病弱な父は、阿孝に小さな影を落としていた…。ホウ・シャオシェン初期の代表作。
恋恋風塵
「恋恋風塵」
1987年/109分/台湾/出演:ワン・ジウウエン、シン・シューフェン、リー・テイエンルー・リー・ティエンルー
1960年代、幼い頃から田舎町で兄弟のようにいつも一緒に育ってきた中学生の少年ワンと少女ホン。卒業して台北に働きに出た二人の淡い恋とその切ない別れを描く。

ナイルの娘
「ナイルの娘」4Kデジタル初上映
1987年/84分/台湾/出演:ヤン・リン、ヤン・ファン、シン・シューフェン
第5回トリノ国際映画祭審査員特別賞、第24回金馬奨最優秀音楽賞
母を亡くし、父は遠い町に暮らす孤独な少女、シャオヤン。彼女は「ナイルの娘」という日本の漫画に夢中。兄の経営するレストランで働くアーサンという男に想いを寄せる彼女だったが、ある日アーサンはヤクザの情婦と恋に落ちてしまう…。
「悲情城市」
1989年/ 159分/台湾/出演:トニー・レオン、シン・シューフェン、リー・ティエンルー
第46回ヴェネチア国際映画祭グランプリ、第26回台湾金馬奨 最優秀監督賞・最優秀主演男優賞。

’45年8月15日台湾が51年にわたる日本統治から解放された日から’47年に起こった本省人と外省人が争う〈二・二八事件〉を中心に、ある一家の変遷をとおして台湾の激動の時代を描く大河ドラマ。
「憂鬱な楽園」
1996年/ 112分/台湾・日本/出演:ガオ・ジェ、リン・チャン、伊能静
中年間近のチンピラと、弟分と彼の恋人のその日暮らしの毎日を描いた一編。チンピラのガオは40近いが正業に就かず、弟分のピィエンと彼の恋人のマーホァを連れて、田舎町の平渓にやって来る。ラストのオートバイ走行の長回しが圧巻。

【エドワード・ヤン監督作品】

光陰的故事
「光陰的故事」
1982年/ 106分/台湾/出演:シルビア・チャン リー・リーチュン
当時新人の若手監督4人が演出した4話構成のオムニバス作品。監督はタオ・ドゥーツェン、エドワード・ヤン、クー・イーチェン、チャン・イーの4名。エドワード・ヤンは第二話の「指望」を監督。
台北ストーリー
「台北ストーリー」
1985年/119分/台湾/出演:ホウ・シャオシェン、ツァイ・チン、ウー・ニェンチェン
第38回ロカルノ国際映画祭審査員特別賞

80年代なかば、過去に囚われた男と未来に想いを馳せる女のすれ違いが、変わりゆく台北の街並みに重ねられ、やがて思いもよらない結末を呼び込む。
恐怖分子
「恐怖分子」
1986年/ 109分/台湾・香港/出演:リー・リーチュン、コラ・ミャオ
第23回台湾金馬奨 最優秀作品賞、第40回ロカルノ国際映画祭銀豹賞、第32回アジア太平洋映画祭最優秀脚本賞

台北を舞台に、3組の男女の姿を通して、図らずも他人を傷つけながら生きる、都会人の殺伐たる生きざまを描いた一編。犯罪、いたずら電話、夫婦の不和、不倫といった都会ならではの事象を、鋭敏なタッチで切り取った傑作。
牯嶺街少年殺人事件
「牯嶺街少年殺人事件」
1991年/236分/台湾/出演:チャン・チェン、リサ・ヤン、ワン・チーザン
第28回金馬奨で最優秀作品賞、第4回東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門審査員特別賞、国際批評家連盟賞

60年代初頭の台北。少年シャオスーは不良グループ<小公園>の仲間とつるんでいた。 ある日、シャオミンという少女と保健室で知り合う。彼女は<小公園>のボスの女で、彼は対立するグループ<217>のボスと、シャオミンを奪いあい相手を殺して姿を消していた。シャオミンへの淡い恋心を抱くシャオスーだったが、グループ同士の対立が増し、彼らを巻き込んでいく…。
ヤンヤン
「ヤンヤン 夏の想い出」
2000年/ 173分/台湾・日本/出演:ジョナサン・チャン、ケリー・リー、イッセー尾形
第53回カンヌ国際映画祭 最優秀監督賞、第26回L.A.批評家協会賞 最優秀外国語映画賞、第67回N.Y.批評家協会賞 最優秀外国語映画賞

8歳のヤンヤンは、祖母と両親と姉と台北で暮している。祖母が脳卒中で倒れたのを機に看病に疲れた母は家を出、昔の恋人と再会した父は過去を思い出し、姉は恋に思い煩う。そんな家族の姿をヤンヤンは冷静に見守り…。2007年早世したヤン監督の遺作となった。

【ツァイ・ミンリャン監督作品】

青春神話
「青春神話」
1992年/ 106分/台湾/出演:リー・カンション 、チェン・チャオロン
第6回東京国際映画祭ヤングシネマ部門ブロンズ賞

台湾の首都、台北を舞台に、一人の予備校生と周囲の人間関係を通して、現代の台湾社会を独特の抑制された形式で描いた青春群像劇。ツァイ・ミンリャン監督衝撃のデビュー作。
愛情
「愛情萬歳」
1994年/ 117分/台湾/出演:ヤン・クイメイ 、リー・カンション
第51回ヴェネチア国際映画祭グランプリ(金獅子賞)・国際映画評論家賞、第31回台湾金馬奨最優秀監督賞

現代の台北を舞台に、孤独な男女3人の生き方を、冷徹なカメラワーク、極端に少ない台詞、一切の音楽の助けを借りない俳優たちの陰影豊かで繊細な演技など、抑制された演出でつづった人間ドラマ。

河
「河」
1997年/ 115分/台湾/出演:リー・カンション 、ミャオ・ティエン
第47回ベルリン国際映画祭銀熊賞

台北。シャオカンは街で旧知の女友達と再会。映画スタッフの彼女に誘われ、撮影現場に訪れた彼は、河に浮かぶ死体役に抜擢されてしまう。彼女と一夜をすごした後、彼は首が曲がったままになる奇病にかかっていた・・。
「郊遊 ピクニック」
2013年/ 138分/台湾/出演:リー・カンション 、ヤン・クイメイ
第70回ヴェネチア国際映画祭審査員大賞、第50回台湾金馬奨 最優秀監督賞・最優秀主演男優賞

幼い息子と娘を育てている父親。水道も電気もない空き家に、マットレスを敷いて眠る3人。父親は不動産広告の看板を掲げて路上に立ち続ける“人間立て看板”の仕事でわずかな金を稼いでいる・・。この作品で商業映画引退を宣言。

【台湾映画秀作集】

推手
「推手」(監督:アン・リー)
1991年/ 105分/台湾・米/出演:ラン・シャン、ワン・ライ
第28回台湾金馬奨 最優秀主演男優賞・最優秀助演女優賞・審査員特別賞

中国からアメリカへと渡って暮らす老人が異文化の中で次第に自立していく様を描いたヒューマン・ドラマ。太極拳の師範である朱老人は、ニューヨークで息子夫婦との同居生活を始めるが、息子の妻とは言葉も通じず、それぞれに不満を募らせていた。今や世界のアン・リーのデビュー作。
ウェディング・バンケット
「ウェディング・バンケット」(監督:アン・リー)
1993年/ 108分/台湾・米/出演:ラン・シャン、ウィンストン・チャオ
第43回ベルリン国際映画祭金熊賞、第30回台湾金馬奨 最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀助演男優賞・最優秀助演女優賞・第51回ゴールデングローブ賞 外国語映画賞および第66回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート。

ゲイの青年が偽装結婚したことから巻き起こる悲喜劇を、シニカルかつ感動的に描いたコメディ・ドラマ。ゲイであることを両親に隠し、恋人の男性・サイモンとマンハッタンで暮らす偉同はグリーンカードを欲しがっている女性・威威と偽装結婚することに…。

恋人たちの食卓
「恋人たちの食卓」(監督:アン・リー)
1994年/ 124分/台湾/出演:ラン・シャン、ヤン・クイメイ
第52回ゴールデングローブ賞 外国語映画賞および第67回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート

台湾を舞台に姉妹の物語を紡いだ「推手」「ウェディング・バンケット」に連なる“父親三部作”の心に沁みる最終章。かつて一流ホテルのシェフだった朱老人と3人の娘は、日曜の夕食を共にすることが決まりごとになっていた。ある晩、次女・家倩は、父の味覚が衰え始めていることに気づく。
藍色夏恋
「藍色夏恋」(監督:イー・ツーイェン)4Kデジタル初上映
2002年/84分/台湾・フランス/出演:グイ・ルンメイ、チェン・ボーリン、リャン・シューホイ
17歳の少女モンは、親友のユエチェンに頼まれて水泳部のチャンにラヴレターを渡すが、チャンは、モンに恋をしてしまう。モンに告白するチャンだったが、頑なに心を開かないモン。彼女が恋心を抱いているのは、実はユエチェンだったのだ。グイ・ルンメイ、チェン・ボーリンのデビュー作。
モンガに散る
「モンガに散る」(監督:ニウ・チェンザー)
2010年/ 141分/台湾/出演: イーサン・ルアン、 マーク・チャオ、 リディアン・ヴォーン
第30回ハワイ国際映画祭最優秀アジア映画賞、第47回金馬奨最優秀主演男優賞・最優秀音響効果賞・台湾映画制作者賞

1986年、台湾、台北一の繁華街モンガは多くの極道組織が覇権争いを繰り広げ、抗争の絶えない街だった。ある日、この街に引っ越してきた高校生のモスキートと、極道の親分の一人息子で校内勢力を仕切っているドラゴンが出会い、意気投合した彼らは青春の日々を謳歌するが…。監督は「風櫃の少年」に初演したニウ・チェンザー。最新作に「軍中楽園」(14年)がある。

あの頃、君を追いかけた
「あの頃、君を追いかけた」(監督:ギデンズ・コー)
2011年/ 110分/台湾/出演:クー・チェンドン、ミシェル・チェン、スティーブン・ハオ
第13回台北映画祭観客賞、第48回金馬奨最優秀新人俳優賞 第31回香港電影金像奨最優秀中国大陸・台湾映画作品賞

1990年代、台湾中西部の町・彰化。男子高校生コートンは、悪友たちとつるんでくだらないイタズラで授業を妨害しては担任を困らせていた。そこで担任教師は、優等生の女子生徒チアイーを監視役としてコートンの後ろの席に座らせることに。コートンは口うるさいチアイーをわずらわしく感じながらも、次第に彼女にひかれていく。2017年日本で山田裕貴と齋藤飛鳥(乃木坂46)の共演でリメイクされた。
「台湾新電影時代」(監督:シエ・チンリン)
第71回ヴェネツィア国際映画祭正式出品、
2014年/109分/台湾/出演:ホウ・シャオシェン、ツァイ・ミンリャン、黒沢清、是枝裕和

ホウ・シャオシェン監督「悲情城市」がヴェネチア映画祭でグランプリ(金獅子賞)を受賞し、1980年代、台湾映画界に新しい潮流をもたらし、世界の映画史にその名を刻んだ「台湾ニューシネマ」。その足跡と後世に与えた影響を、世界の名だたる映画人たちのインタビューを通して浮き彫りにする最新ドキュメンタリー。
あの頃、この時
「あの頃、この時」(監督:ヤン・リーチョウ)
2014年/113分/台湾/出演:ホウ・シャオシェン、シルヴィア・チャン、スタンリー・クワン
台湾金馬奨50周年記念作品として制作されたドキュメンタリー。往年の映画監督やスターの姿を通して、台湾映画の歴史が明らかにされる。